反回神経麻痺

声帯を動かす神経は、脳から出て頸部を下降し、右側は鎖骨下動脈の位置で左側は大動脈の位置で反転(反回)し喉頭に入ります。走行経路が長いため甲状腺の病気(甲状腺癌など)や肺癌、大動脈の病気(解離性大動脈瘤など)でも神経が障害され声帯の動きが悪くなり声がれが生じます。
長く続く声がれは、怖い病気の初発症状かもしれません。専門医の診察を受けましょう。


反回神経麻痺症例1 58歳男性
数ヶ月前から続く声がれを主訴に来院。前医で感冒を疑われ投薬を受けていた。喫煙歴あり。
初診時に左反回神経麻痺を認めた。精査目的で近医内科を紹介。左肺がんを指摘された。左の声帯(向かって右側)が動いていない。

反回神経麻痺症例2
小脳延髄梗塞 右声帯(向かって左)の麻痺が認められる。

反回神経麻痺症例3
咳発作、嗄声を主訴に受診。内視鏡で左声帯(向かって右)の麻痺が認められた。内科を紹介し解離性大動脈瘤と診断された。緊急手術を受け救命された。