扁桃炎を何度も繰り返す場合、習慣性扁桃炎と呼ぶことがあります。
高熱と強い咽頭痛が続く扁桃炎を年に5回から6回以上繰り返すと扁桃腺を摘出する手術(以下、扁摘)の適応となります。
また溶連菌の頻回の感染が疑われる場合も血液検査(ASKやASO)の結果で扁摘の適応になります。
扁桃炎が原因で心臓や腎臓、皮膚など直接扁桃腺とは関係のない臓器に病気がでることを病巣感染症と呼びます。この場合も扁摘をすると症状が改善する場合もあるため適応となります。
一方、「学校検診で扁桃肥大を指摘されたのですが、手術しなければならないでのしょうか?」とお母さん方からよくご質問を受けます。扁桃腺は大きいだけでは手術適応とはならず経過を観察します(扁桃腺が大きくて食が細い場合や扁桃炎のたびに扁桃腺が腫れて息がしんどくなるような場合、睡眠障害が出ているような場合は、手術適応です)。逆に小さくても上記のような症状を呈する場合は扁摘の適応となります。
いずれにしても保存的な薬物治療で経過を見るのか、手術治療を選択するのか、得られる利益と不利益(合併症など)を個々に勘案して判断しますのでご相談下さい。