滲出性中耳炎

滲出性中耳炎は、子供に多く発症します。1歳までに50%以上、2歳までに60%以上、小学校に入るまでに90%以上の子供が1回はかかると言われています。鼓膜の内側の中耳腔に滲出液が貯留し、鼓膜の振動を妨げるため聞こえが悪くなります。かぜ、副鼻腔炎、急性中耳炎などの後に中耳の炎症が起きると、中耳の圧力が下がり滲出液が貯まるようになります。

中耳に液体(滲出液)がたまるために、耳が塞がったような感じ(耳閉感)、聞こえが悪くなる(難聴)などの症状が起こります。発熱や痛みはほとんどありません。自分で症状をうまく伝えられない乳幼児では、耳を触ったり、頭を振る、呼びかけへの反応が鈍くなるなどの行動や態度で分かることがあります。また小学生以上では、聞き返しが多い、テレビの音が大きくなるなどにより、周囲から気づかれることがあります。

小児の場合、自然に治ることもありますが、3ヶ月以上症状が遷延する場合は、鼓膜切開や鼓室換気用チューブの挿入術、アデノイド切除などの外科的な処置を行うこともあります。

また大人の片側の滲出性中耳炎は、上咽頭ガンが原因のこともあるため注意が必用です。

好発年齢 1〜6歳位

症状
・難聴
・耳がつまった感じ
(痛みはほとんどない)治療
・滲出液の吸引
鼓膜の切開により滲出液を排出します。
・換気チューブの挿入
鼓膜を切開して換気チューブを入れ、含気を良くします。
・薬による治療
抗菌剤や炎症を抑える薬を内服します。
以下の症状がある場合は、滲出性中耳炎が疑われます。医師の診察を受けましょう。

テレビに近づいたり、音を大きくする。
名前を呼んでも振り返らない。
聞き返しが多い。

右滲出性中耳炎症例

左滲出性中耳炎症例