急に耳が聞こえなくなる病気です。「朝起きたら耳が聞こえなくなっていた」とか「家事をしていると急に耳鳴りがして聞こえなくなった」などの症状を訴えて来院されます。難聴の種類は、感音難聴(内耳や聴神経が悪くなって生じる難聴)です。
この難聴の予後(治りやすさ)を決める4つの因子があります。
(1)最初の難聴の程度が軽い
(2)治療に入るまでの期間が短い
(3)患者さんの年齢が若い
(4)めまいがない
上記ほどよく治ります。特に発症から治療を開始するまでの期間が重要で2週間をすぎると治りにくいと言われています。
治療はステロイド剤と言われるホルモン剤、神経代謝賦活剤、循環改善剤、ビタミン剤の内服や点滴加療が必要となります。その他、星状神経節ブロックや高圧酸素療法が有効な場合もあります。
また糖尿病、高血圧、胃潰瘍、緑内障のある方は、それぞれの病気の主治医の先生と相談した上で入院加療をお願いする場合もあります。
突発性難聴は通常一生のうち一回しか罹らないと言われており、繰り返すようなら別の病気(メニエル病など)の可能性を検討する必要があります。
突然の難聴、耳鳴、耳閉感は、放置せず専門医の診断を受けましょう。