当院で扱う疾患

7.鼻の病気

アレルギー性鼻炎

症状

くしゃみ、鼻水、鼻づまりが、主な3つの症状と言われています。花粉症の場合、目のかゆみも訴える方もおられます。アレルギーの原因物質(アレルゲン)に対して免疫反応がおこり様々な化学物質が鼻内や体内で活性化され症状を来します。


診断

アレルギーの原因物質(アレルゲン)を調べ、アレルゲンに合わせた治療法を選択します。


治療

基本は、アレルゲンを体内に入れないように心がけることです。様々な方法が、推奨されています。


しかしアレルゲンを回避しても症状が強く日常生活に不自由を来す場合は、まず薬物療法を行います。薬剤の効果が充分でない場合は、手術療法特異的減感作療法(アレルゲン免疫療法)も考慮します。


[ アレルゲン ]

アレルギー反応を来す原因となる物質のことを指します。当院では、患者さんから特に希望のない場合は、スギ(春)、ヒノキ(春)、カモガヤ(初夏から秋)、ブタクサ(秋)の4種類の花粉症の原因物質とハウスダスト、ダニ(ヤケヒョウダニ)の2種類の通年性アレルギーの原因物質の計6種類のアレルゲンに対して検査します。検査は、6項目で3500円程度(3割負担、平成29年3月現在)です。


この中に原因物質が見つからない場合は、相談の上、更に検索します。検査可能な項目は、沢山あります。網羅的に行う検査は、あまり意味がありません。当院では、実際に検査用紙を見て頂き、ご自身で気になる項目にチェックして頂いて検査を行うようにしています。


アレルギー検査の結果は、アレルゲン別に重症度も分かるように記載されています。

アレルギー検査の結果

[ 特異的減感作療法(アレルゲン免疫療法ともいう) ]

1)経皮的免疫療法

(スギやハウスダストなどの)アレルゲンを薄い濃度から徐々に濃くして皮下注射します。身体を徐々にアレルゲンに慣らすことにより根治的な治療効果が期待できます。しかし以下のようなデメリットもあります。


  1. 毎回皮下注射をすることが必用です。(少し痛い!)
  2. アレルゲンを直接体内に投与するためアレルギー反応を誘発する場合もあります。重篤な場合は、アナフィラキシー様症状を呈することもあります。
  3. 定期的な通院が頻回に必用です。
  4. 濃度を徐々に上げて行く過程でアレルギー症状が出現し治療を続けることが困難な場合もあります。

2) 舌下免疫療法

最近始まった特異的減感作療法です(欧米では広く一般的に行われています)。現在スギ花粉症に対する薬剤(シダトレン)とハウスダストアレルギーに対する薬剤(ミティキュア、アテシア)があります。


舌の下に可溶性の薬剤を1〜2分間含んだ後に飲み込みます。3〜5年間毎日続けることで身体がアレルゲンに慣れて根治的に治療することが可能です。経皮的免疫療法とは異なり注射をする必要がないため、痛くなく頻回に通院する必用もなくなります。しかし自宅で定期的に薬剤を服用する計画性と根気強さが求められます。


また経皮的免疫療法に比べ治療を中断しなければならないほどの重篤なアレルギー症状の出現は少ないとは言われています。しかし「0」ではないことにも注意が必用です。


当院では、スギ花粉症、ハウスダストアレルギーに対する舌下免疫療法を行っています。詳しくは、ご相談下さい。

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